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夫婦関係破綻後の不倫


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 判例では、夫婦関係が破綻しているような場合は外形的に不倫になっても慰謝料は認めないとされています。

 たとえば、別居期間も相当長期にわたっており、お互い子供が成人したら離婚届を出すことに合意しているような場合、夫婦の一方に交際相手ができたとしても不倫だから慰謝料を払えという主張は認められません。

 最近はインターネットでこういった判例を見る人も多くなりましたので、不倫相手の配偶者に慰謝料を請求されたときに、夫婦関係が破綻していると聞かされていたので交際したと抗弁するケースが増えています。実際に破綻している人もいますし、破綻していたとさえいえばだいじょうぶと安易に解釈して、そう言っている人もいます。たしかなことは、別居して相当期間が経過しているような場合を除いて、夫婦関係が破綻していたのかどうかの判断は簡単ではないということです。


夫婦関係破綻後の不倫についての判例


(最判平成8年3月26日判時1563・72、判タ908・284)

概要


 性格の不一致で夫婦関係が悪化し、夫が家を出て別居後、スナックで知り合った女性と親密になり同棲を始めた。これについて、妻が1000万円の慰謝料請求訴訟をおこしたが、第一審、控訴審、上告審いずれにおいても婚姻関係破綻後の不倫であることから、不法行為は成立しないとされた。

裁判所の判断


 控訴審は、「被告女性が夫と肉体関係を持ったのは、昭和62年5月に夫が別居した後のことであり、その当時、既に原告妻と夫との夫婦関係は破たんし、形骸化していたものと認められるところ、被告女性は当初夫から妻とは離婚することになっている旨聞き、その後別居して一人で生活していた夫の話を信じて夫と肉体関係を持ち、同年10月頃から同棲するに至ったものであるから、被告女性の右行為が原告妻と夫の婚姻関係を破壊したものとは言えず、妻の権利を違法に侵害したものとは認められない」としました。

 最高裁も、「甲の配偶者乙と第三者丙が肉体関係を持った場合において、甲と乙との婚姻関係がその当時既に破綻していたときは、特段の事情がない限り、丙は、甲に対して不法行為責任を負わないものと解するのが相当である。けだし、丙が乙と肉体関係を持つことが甲に対する不法行為となるのは、それが甲の婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益を侵害する行為ということができるからであって、甲と乙との婚姻関係が既に破綻していた場合には、原則として、甲にこのような権利又は法的保護に値する利益があるとは言えないからである。」としました。

コメント


 この最高裁の判決で、夫婦関係破綻後の第三者の責任が明確になりました。一方で、インターネットでこうした判例が説明されることで、慰謝料請求されると、なんでもかんでも破綻を主張する人も増えたように思います。
 この判例の場合は、もとから性格の不一致があったことや、別居して半年ほどたってから同棲を始めたことなどから、夫婦関係の破綻が先だったと判断されたようですが、中には本当は別居前から不倫をしていながら、不倫相手と周到に計画し、別居してから出会ったことにしようなどと口裏をあわせているようなケースもあるでしょう。そういうときは、証拠の有無が明暗を分けます。
 極端な例では、不倫相手と同棲を始めるために別居しておきながら、別居したから夫婦関係が破たんしたなどと堂々と主張する人もいますが、別居より不倫が先であれば、この判例には当てはまりません。
 ただし、慰謝料請求している側の配偶者に、以前から暴力や不貞行為などの有責行為があり、そのことが破綻の原因になったのであれば、(不倫相手の)第三者には不法行為の責任はないとされるか、責任が軽減されるでしょう。もっとも、その場合でも、証明できるかどうか、証拠の有る無しなどが大きく影響してきます。




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