姦通罪ってあるの?

不倫トラブルQ &A

戦前は姦通罪が刑法にあり、妻が夫以外の男と肉体関係をむすぶと処罰されました。一方、男の方は妾ということばがあるように何人愛人を持っても処罰はされませんでした。まだ男尊女卑的な思想があった時代のことです。

しかし、戦後、新憲法第24条で夫婦同権が規定され、それを受けて刑法から姦通罪は削除されました。よって、現在は女性が不倫、浮気をしたからといって逮捕され刑事処罰されるようなことはありません。

ただし、民事上、不倫は不貞行為で不法行為に当たるものとして現在も慰謝料請求が認められています。

よく不倫は罪になるかという質問があります。道徳的な意味ではなく法律上の罪と言えば、刑事的なものを言っているのだと思いますが、刑事と民事とは別のものです。つまり、不倫は刑事ではなく民事上の問題として扱われるということです。

浮気は男の甲斐性?

姦通罪があったような時代は、浮気は男の甲斐性などといって、男の不倫は容認されるような風潮が世の中にありましたが、最近は、この言葉は死語になったような気がします。今は、浮気や不倫をしようと思えば、女でも男でも経済力に関係なく手軽に携帯電話、インターネットで知り合うという時代ですから、男女差はないといっていいでしょう。こうした傾向は、実際に相談を受けていているとわかります。

また、昔は男性が浮気をしたからといって、女性が離婚を切り出すという話はあまり聞きませんでしたが、最近は、男性が浮気をしたら女性から離婚を切り出すことが珍しくないように思います。相談者の中には、夫が風俗店にいったという理由だけで離婚を考えているという女性もいます。これに対して、男性の方は女性が浮気しても案外許してしまうことが少なくありません。

こうしてみると、「浮気は男の甲斐性」という言葉にしろ姦通罪の存在にしろ、普遍的な価値観に支えられたものではなく、その時代の男女の社会的な力関係などを表しているように思います。ちなみにイスラム教の国では不倫は罪とされていて死刑になることもあるようですが、全般的に男性より女性の方が不利なようです。

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